00-2

「おかあさん、おばあちゃんが呼んでるよー。ねぇ、起きてよ」
時計の針はすでに昼の12時をまわっていた。あれからべジータはブルマを眠らせてくれなかったため、解放されたのは空がしらじらとした頃だった。ブルマは熟睡していて起きる気配はない。
「ちぇ」
トランクスは短く不満の声をもらし、床に散らかったパジャマやら下着と一緒に、一冊のスケッチブックが混じっているのを見つけた。
トランクスはそれを拾いあげ、何気なくパラパラとめくり始めた。
「あれ?パパかな、これ?」
そこには黒いタキシードを着た父親とドレスを着た母親がマーカーで描かれていた。
「これって・・・」
トランクスはスケッチブックに書かれた内容を食い入るように読み出した。
どうやらそこには父親に正装をさせ、ドレス姿の母親と一緒に記念撮影をするための計画(?)らしきことが、事細かに書かれている。
その中の一つに、父親が嫌がるであろう正装は、粒子状にしてカプセルにセットする、というような内容が書かれていた。
「悟飯さんのグレートサイヤマンのコスチュームと同じだ」
「ママって天才のくせに、お馬鹿なところがあるんだよな・・・こんなことしたらパパは絶対に怒っちゃうよ」
トランクスはひとつため息をつき、スケッチブックを抱えいつまでたっても起きない母親をおいて部屋をでた。

「おかあさん起きないよ、やっぱり」
トランクスは祖母に小さな抗議をした。
「あらあら、昨日は遅くまでべジータちゃんと仲良くしていたのかしらねー」
ブルマのママは子供の前でとんでもないことを言ったが、トランクスは慣れたものでなんとも思わない。
それより・・・
「ねぇ、パパにこんな格好させることはできないかな?」
トランクスはスケッチブックの落書きをしている部分を祖母に見せた。
「あらー、素敵!べジータちゃんに似合いそうね。じゃあ注文しておこうかしらねぇ」
ブルマのママは嬉しそうに、いそいそとどこかへファックスを送りだした。
「うふふ。トランクスちゃんの分も注文しちゃおうかしら」
「オ、オレのはいらないよ・・・暑苦しそうだし・・・」
「じゃあ、悟空ちゃんの分も・・・」
「パ、パパのだけでいいんじゃないかな、多分」
祖母はわかっているのかいないのか、相変わらずとぼけたことを云った。
「とにかくさ、ママはパパにこういう格好をさせたいんだよ」
「あらあら。でもうまくいくかしらねぇ」
「どうかな・・・パパは勘がいいからね」
「あらまぁ、どうしましょ。トランクスちゃんなんとかしてやってちょうだいな」
「え?それはオレの台詞だよ。おばあちゃんならパパを説得できるでしょ?」
「うふふ。それはどうかしらねー」
祖母はなぜか嬉しそうに笑うと、トランクスのために食事の用意を始めた。

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「ない、ない、ない!」
ブルマはようやく眠りから覚めると、昨日書いたスケッチブックがなくなっているのに気づいた。
「まさか、べジータが持っていったのかしら!」
あれを読まれたらせっかくの作戦が台無しだ。ブルマは急いで服を着るとべジータがトレーニングをしている重力室へ向かった。
べジータはいつものように、150Gの重力でトレーニングをしていたが、ブルマはかまわず重力装置をオフにした。
トレーニングの邪魔をされたべジータの不機嫌な顔がモニターに映し出される。
「何の用だ」
べジータの声は怒りが含まれているようで、いつもより低い。
「ちょっと聞きたいんだけどさ、あんた、あたしのスケッチブック・・・知らない?」
「ふざけるな!!そんなくだらんことでオレの邪魔をするな!」
べジータはそれだけ云うとプイッと重力室から出ていってしまった。
(べジータが持って行ったんじゃないのね。それならいっか・・・)
ブルマは自分の部屋に戻ると、早速、カプセル型の変身装置の製作に取り掛かった。
約2時間ほどで完成したその装置は、悟飯に作ってやったグレートサイヤマンの衣装と同じ原理だ。
「ふんふんふーん♪」
ブルマは出来立てのカプセルをポケットにしまうと、自分の衣装を選びに、いつものドレスショップに向かった。
それから、いつも遊びに行くホテルに行き、カメラマンの手配と日時を決めてきた。

思い立ったらすぐ行動に移すところがブルマらしい。
あとは自分のドレスが出来上がるのを待つだけだった。


続く

あとがき
うわー、やっちゃったよ(泣)
ここで続くというパターンはやりたくなかったんですが、早く更新をしたかったので無理やりアップ(><)
ごめんなさい・・・
この章は萌えもないし・・・

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