あなたに逢えた それだけでよかった
世界に光が満ちた
夢で逢えるだけでよかったのに
愛されたいと願ってしまった
世界が表情を変えた
世の果てでは空と海が交じる


トランクスは肩膝を抱え、C.Cの屋根の上から荒れ果てた西の都をじっと見つめていた。
正確に言えば、実際の景色は見えていなかったのかもしれない。
トランクスの意識は過去へとさまよっていたのだから。



「あんたどこかで逢ったことあったかしら」
若いブルマはトランクスを見てそう云った。

あの時、オレはあの人への想いをはっきりと意識した。
夢の中でしか逢うことができない人。
それが、タイムマシンで過去へ行くことにより、あの日に逢うことができた。

そして、その人はオレに何かを感じてくれた。
その何かは決してオレの望むようなものではないかもしれないけど、
それだけでオレは満足だった。



でも、いつからオレは
その人から愛されたいと願うようになってしまったのだろう。



そうだ、二度目に過去へ行った時、
あの人の腕のなかに小さなオレを見つけたときだ。
あの小さなオレは、あの男とあの人の関係をはっきりとオレに見せつけるものだった。

オレが腹を立てたのは、あの男があの人を見殺しにしようとしたこともあるけど、
オレは認めたくなかったんだ。
オレが2人の子供だということを。

そして、オレはあの人から異性として愛されたいと強く願うようになった。


もしこれが戯曲なら
なんてひどいストーリーだろう
進むことも戻ることもできずに
ただひとり舞台に立っているだけなのだから


オレはセルが出現したとき、殺されてもいいと思った。
あの人のいる世界で、あの人が生きる世界を救うために、
死ぬことができるなら、オレはある意味幸せだったのかもしれない。


あなたが望むのなら この身など
いつでも差し出していい
降り注ぐ火の粉の盾になろう
ただそこに一握り残った僕の想いを
すくい上げて心の隅において


未来の世界にも平和が戻り、荒れ果てた都市や自然は元の姿を取り戻そうと必死になっていた。
この西の都もあと5年もすれば、以前の、そう過去に見たあの人が住む西の都の姿へと戻っていくだろう。
その時オレは何を想うのだろう。
あの人のいない、平和な世界。
オレの知らない世界。
オレにとっては、地獄になるかもしれない。
漠然とそう思った。


結局、あの人とは幸せになることはない。
だから、この世の果ての、
蒼い目と、髪を持つもの同士が
交じりあうことのできる世界に行きたい。

渇ききった喉を潤すすべを
オレは見つけることはできないだろう。



荒野に咲いたアゲハ蝶
揺らぐその景色の向こう
近づくことはできないオアシス
冷たい水をください
できたら愛してください
僕の肩で羽を休めておくれ




あとがき
ポルノグラフィティのアゲハ蝶の歌詞は
未来トラとブルマストーリーで考えると萌えます。

あまりに妄想入りまくっていたので、SSには入れないでトークに入れちゃいました。
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