同じ女を求めること

第七話 衝撃


トランクスがカプセルコーポレーションで働き出してから、早2週間が過ぎようとしていた。
最初の頃はブルマにあわせて、非常勤だったトランクスも今や一人で定時出社を始めている。
もちろんそれはトランクスの意志で、戦い以外の面白いことを見つけたからだった。
それに、カプセルコーポレーションがブルマの分身だというなら、なおさらだ。

この2週間の間にこんなことがあった。
熱心にファイルを読み漁るトランクスに、ブルマはいつもの軽い調子で言った。
「明日ブレーンストーミングをするから、あんたも入りなさい」
トランクスは資料と一枚のメモを渡された。
「・・・?」
メモには名前と電話番号が書かれている。
「何かに困ったら、そこへ連絡するといいわ」
それだけいうと、ブルマはカツカツとヒールをならし去っていった。

トランクスは特に困ってはいなかったが、連絡をすることにした。
電話にでたのは初老の男性だった。
どうやらブリーフ博士に長年付き添ってきた男らしい。
ものごしは柔らかかったが、的確にそして公平に物事を捉えることができる人材。
トランクスは目が覚める思いで、その男の話に聞き入った。

それからだった。
トランクスがブルマとは離れ、カプセルコーポレーションの一員として動き出したのは。
次の日のブレーンストーミングでは、トランクスは積極的に発言した。
もちろん難しいことや、専門的なことは判らなかったが、それでも思った事を発言していくうちに、
ある事を思いついた。
「福祉車両のようなものを開発したらどうでしょうか?」
トランクスはコーヒーを片手にポツリと言った。
メンバー達はいっせいにトランクスを見る。
トランクスのいた未来の世界では、人造人間達の被害によって、五体満足に生き残る人々は少ない。
しかし、その人たちが自由に動ける手段はない。
こちらの世界では数こそ少ないが、需要がないわけではなさそうだった。
「いいね!それ!企業イメージのアップにもなるしね!」
「そうきたか!まだどこも福祉車両という考え方はないし・・・世界の先駆者か」
トランクスはそれがきっかけとなり皆と打ち解けたようで、その日はC.Cに帰ってこなかった。


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べジータは、すやすやと寝息を立てているブルマをじっと見つめていた。
毎日ブルマを抱きブルマもそれに答えていたが、べジータはある違和感を感じている。
その違和感の原因は多分トランクスだろう。
ブルマとトランクスの間に、特にブルマの中には親子という意識はないように思える。

ブルマと体をあわせても、いままでのようにべジータの心が満たされることはない。
どこかに焦りのようなものが付きまとい、なにかが足りないと感じるのだ。
(なんだ、これは・・・)
べジータはその気持ちを、自分の中で処理しきれずにもてあましていた。


「う・・ん。寝られないの? べジータ」
ブルマが目を覚ます。
「なんか飲む?」
ブルマはベッドから起きあがると、床に落ちていたガウンをはおり、
戸棚から琥珀色の液体が入ったとビンを取り出した。
「いらん」
べジータは窓の外を見る。
ブルマは構わずにクリスタルのグラスに少量の液体を注いだ。
「少しならよく寝られるわよ」
ブルマはその液体を一口含み、ミネラルウォーターを飲んだ。

「ねぇ、べジータ・・・」
ブルマはグラス片手にべジータに近づくと、琥珀色の液体を自分の口に含ませた。
そしてべジータの顎を自分のほうに向け、唇を合わせると
その液体をべジータの中へ注ぎ込んだ。


「・・・っ!」
べジータの唇の端からツツーッと液体が流れる。

「何しやがる!」
「何って、飲ませてあげたんじゃない」
べジータは顔をしかめ、拳で口の端をグイとぬぐった。
(なんて事をしやがるんだ、この女は・・・!)

喉が焼け、体の中の血液が一気に沸騰するようにあわ立つ。
その感覚はべジータにとっては気持ちの悪いものだったが、
ブルマの口移しの行為はべジータを興奮させた。


「・・・もう一度やれ」
べジータはブルマに命令をする。
ブルマは再度液体を口に含むと、べジータの口の中にそれを注ぎこんだ。
「ブルマ」
べジータはブルマからグラスを取り上げる。
べジータはその液体をグラスの中身を全て口に含むと
ブルマをベッドに横たわらせ、上から覆いかぶさった。
そして、ブルマの形の良い唇を開くと、液体を注ぎ込んだ。
「ん・・・」
ブルマは喉をならし、その液体を飲み干そうとするが、
半分くらいは飲みきれずに唇からあふれ出す。

べジータはそれを自分の舌で舐めとった。
「悪くない・・・」
べジータは独り言のようにいうと、むき出しになったブルマの青白いふくらみを、手のひらで掴んだ。



次の日べジータは夜明け前に起きだし、重力室でトレーニングをしていた。
妙な液体のせいで、気持ちが高ぶり浅い眠りになってしまったが、
べジータにはそれで十分だった。

昨日からトランクスが帰ってきていないようだ。
(あいつがブルマから離れるなんて妙だな)
べジータはトランクスの気を探ったが、数人の小さな気と一緒にいることを知ると、
興味を無くしたようにトレーニングを始めた。

どうしたことか、今日はすこぶる調子がいい。
重力もいつもの倍に設定してみる。
べジータの体に心地よいほどのGがかかった。








ズキン





突然べジータの体に異変が起こった。
「ぐっ!!!!」



べジータの呼吸が荒くなり、重力室の床に両膝をつく。
「がはぁっ!!!!」



べジータは右手で心臓を掴んだ。
(これは・・・カカロットの奴と同じ症状だ・・・!!!!)



ウイルス性の心臓病



純粋なサイヤ人は侵されやすいのだろうか。
べジータはその場に倒れ込む。

重力室の室内で、モーター音だけが勢いよく回り続けていた。


続く
(2005.9.4)


あとがき
残すところ後わずか。
楽しく書いていたので、ちょっと寂しい(><)

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