強い男

きっかけは悟天の無邪気な問いかけだった。
「トランクス君って、どうしてそんなにムキになって強くなりたがるの?」
いつも戦闘ごっこをして遊んでいる2人だったが、最近のトランクスの切羽詰った様子に、悟天は不思議に思っていたことをぶつけた。
「なんだよ、悟天。おまえは強くなりたくないのか?」
「そりゃあ・・・なりたいけどさ、でも、トランクス君って最近ちょっとコワイよ」
「オレには倒さなきゃいけない奴がいるからな・・・早くそいつより強くならなきゃいけないんだ」
トランクスは両手に拳を作ると、悟天に向かってニヤッと笑った。
「トランクス君、それってもしかして、トランクス君のお父さんのこと?」
悟天はトランクスの、異常なほどのブルマへの執着ぶりを知っている。と、いうより彼しか知らないことだったが。
「そうさ、パパを倒さないとママはオレのものにならないからな!ママは強い男が大好きなんだ」
「ふーん。じゃ、うちのお父さんのことも好きだったのかな・・・?」
「・・・さ、さあな?」
微妙な悟天のつっこみだったが、まだ2人は子供なので、そこまで深くは考えない。

「それでだ、悟天。オレはある作戦を考えたんだ」
トランクスは近くにあった棒切れをつかみ、地面の土の部分にカリカリと何かを書き出した。
「まず、ママとパパをオレたちのトレーニング場につれて行くんだ」
「ふーん?」
「ここからが大切だぞ、悟天」
「そこでだ。ママが見ている前でオレがパパを倒せば、ママはオレがスキになるって筋書きさ」
「よくわかんないよ、トランクス君。だって、トランクス君はおじさんに勝てるわけないじゃないか」
「馬鹿だな、悟天は。なんでお前を連れて行くか考えてみろよ」
トランクスは棒切れを悟天に向け、ピコピコと動かした。
「もしかして、フュージョンするの?・・・ひきょうだよ、ひきょう」
「う、うるさいな。ハンデだよ、ハンデ。オレのパパはめちゃめちゃ強いからな、それくらいしても大丈夫さ」
トランクスは自分でも卑怯だと判っているので、バツが悪そうな顔をして横目で悟天を見た。
「それにさ、トランクス君はともかく、ボクがおじさんに殺されちゃうよー」
「稽古つけてほしいっていう事にすれば大丈夫さ」
「そうかなぁ・・・」
「そうさ、うまくいったらオレのムシキングのカードを全部やるよ!」
「ホント?!それ約束だよ!」
「ああ、約束する」
こうしてチビ達二人は、それぞれの思惑を胸に作戦決行日をむかえた。

「トランクスくーん」
悟天は水筒をぶら下げ、カプセルコーポのトランクスの部屋に、窓の外から訪れた。
トランクスはいつものダークグリーンの胴着に着替えていると途中だったが、窓を開け悟天を中に入れた。
「よう、悟天。先にママ達のところに行っててよ、リビングにいると思うから」
「わかった」悟天はそう云うとパタパタとリビングへと向かった。

「あら、悟天くん、来てたの?トランクスはまだ?」
ブルマはいくつかのカプセルをケースに詰めていることろだった。
「そろそろ来ると思うけど・・・」
「それにしてもさ、べジータに稽古をつけてもらいたいなら、アンタたちだけで行けばいいんじゃないの?」
ブルマは乗り気ではない様子だった。
「そうだ、貴様は邪魔なだけだからな」
べジータもそれに同意した。
「だ、だめだよ!ブルマさんが来ないと作戦が・・・」
「作戦?」
「あっ!ええと・・・トランクス君が悲しむと、思うよ」
慌てて悟天はフォローをしたが、動揺してドギマギしている。ここで作戦がバレだらムシキングのカードもパアになるが、なんといってもトランクスに何を言われるかわからない。
「フン、貴様ら、くだらんことを考えているようだが・・・。いい機会だ。オレもカカロットの奴がいなくなって、トレーニング相手が欲しいと思っていたところだ。貴様らのフュージョンなら準備運動程度にはなるだろう」
べジータはソファにどっかりと座り込み、腕を組んで嬉しそうに口元を歪めた。
(トランクス君ー。フュージョンのことバレちゃってるよー)
悟天はあわあわとしていたが、やがてトランクスがリビングのやってくると、救われたように胸をなでおろした。
「待たせたな、悟天。・・・おとうさん、場所はここから南の方向だよ。ボクたちが先に云ってるから、おかあさんをつれて来て」
トランクスは悟天をつれて一足先に飛び立った。先にフュージョンをして迎え撃つつもりだった。

リビングにはブルマとべジータが残された。
「なんなのかしら、あの子たち。ねぇ、べジータ、あたし行かないわよ。あんた達の稽古なんか見ててもつまんないもの」
ブルマはタバコを一本取り出すと、口にくわえ火をつけた。
「くっ、くっ。まぁ、見ていろ、退屈しのぎにはなるかもしれんぞ」
「何よ、さっきと言ってることが違うじゃないの、べジータ」
「・・・少し遊んでやろうと云っているんだ」
べジータはブルマのタバコを揉みつぶし、ブルマを無造作に抱え込むと、トランクスたちの気を追って飛び出した。
「ちょ、ちょっと!!ジェットフライヤーじゃないの?!ねぇってばー!」
やがてブルマの声は、風の音にかき消された。

トン。

べジータがトランクス達のいる場所へ降り立ったのは、トランクスと悟天がフュージョンをしているところだった。
「あっ。おとうさん、早すぎるよ!」
トランクスは焦った。しかしべジータは担いでいたブルマを地面に下ろすと、視線はトランクスに向けたままニヤリと笑った。
「フュージョンしろ、トランクス。貴様の超サイヤ人じゃトレーニングにもならんからな」
「ぐぐっ。」
トランクスは完全に父親に舐められていることに腹がたったが、意地を張ってもしかたがないことは良くわかっている。手っ取り早くブルマの気を引くために、フュージョンをして自分の父親を倒す作戦だったのだ。
「いくぞ、悟天」トランクスと悟天は左右対称にポーズを作った。

(いまこそ、パパと決着をつけて、ママをボクのものにしてやる!)
(フン、トランクス。貴様の考えていることなど、とっくにお見通しだ。だが、あえて誘いに乗ってやろうというんだ、少しは楽しませてくれよ)

べジータはどんな理由であれ、自分の息子が、自分よりはるかに強い相手と、真剣に戦おうとしていることに喜びを感じていた。
そして、自分も気を開放して超サイヤ人になった。



結果は、べジータに背後をとられ、首筋に手刀をいれられゴテンクスが意識を失ったことであっけなく勝負がついた。

「あんたさ、相手は子供なんだからもう少し手加減してやったら?」
ブルマはあきれて、意識を失ったゴテンクスを介抱している。
「これ以上もなく、やさしくしてやっただろうが」
「だいたい、今日は稽古をつけるばすじゃなかったの?これじゃ稽古になってないじゃないの。
孫くんなら、もっと組み手とかちゃんと教えてくれてたと思うわよ」
「フン、貴様はいつもカカロットだな」
べジータは皮肉混じりに云った。
「別にそんなんじゃないわよ。アンタが大人気ないって云ってるだけじゃないの。それとも、なにー?」
ブルマはゴテンクスから離れ、べジータの元へ寄って来ると、いやらしい目つきでべジータに迫った。
「あんた、ヤキモチなんか妬いてるんじゃないでしょうねーぇ?」
「な・・・」
べジータは頬を紅潮させた。図星だったようだ。
べジータの様子を面白そうに見ていたブルマは、べジータに絡みついて耳元で囁いた。
「ばかね、あたしがスキなのは・・・あんただけよ、べジータ」
べジータの反応を楽しむように、ブルマはわざとやって面白がっている。
いつものパターンだと、大抵はこの後、ブルマを煩そうに振り払ってどこかへ飛んでいってしまう。

が、

今日はどうしたことか、ブルマの誘いに乗ってきた。
べジータは自分の首に回されている、ブルマの腕をぐっとつかむとフワリと宙へ浮かび、あたりを見回すと適当な場所を見つけて降り立った。
「貴様の誘いにも、あえて乗ってやる。オレはやさしいからな」
そう云うと、べジータはブルマの腕を自分の首から解き、ブルマの首筋をぺろりと舐め上げた。
「ひゃっ・・・」
ブルマは寒気を感じたようなしぐさをし、すぐにべジータを睨みつけた。
「トランクス達が起きたら、ここへ来るわよ!」
「知るか」
べジータはブルマを自分の下にうつ伏せに組み敷くと、ブルマの青いキャミソールをまくりあげた。
べジータにしてみれば、服など脱がせるのは手間がかかるので破ってしまいたいところだが、ブルマに文句をいわれるのもやっかいなので、おとなしく脱がせることを学習した。

ベジータはブルマの背中にぴたりと自分の胸をつけ、ブルマの白いうなじを軽く噛んだ。
ブルマは電撃に全身を貫かれたような感覚を受け、びくっと痙攣したかと思うと、身体中の力が抜けたようにぐったりと頬を地面につけた。べジータはそのままブルマの耳の後ろを、ざらついた舌でなぞると聞こえるか聞こえないかの声音で囁いた。
「少し気が高ぶっている。おとなしくしていろ」
べジータはそう云ったと思うと、背後からブルマの中に自分自身をねじ込んだ。
ブルマの中に痛みが貫通した。
まだ身体の準備は十分でないのに、遠慮なく入り込んでくるべジータ。
ブルマは身体を硬くした。

「少しきつい、力を抜け」
べジータは命令するようにブルマに云う。
「な、なによ・・・強引に、したのはあんた・・・でしょ」
ブルマは小さな抗議をしたが、すぐにべジータの腰の動きによって口をふさがれる形となった。

「力を抜け・・・ブルマ。怪我をするぞ」
そう云いながらもべジータは動きをやめる気配はない。ブルマに覆いかぶさり、まっすぐに伸びて芝をつかむブルマの腕に、自分の腕を重ねるようにしてつかんでいる。
ブルマの視界に入るのは、青く茂った芝と、自分の腕を硬く掴むべジータの引き締まった腕だけだった。
それがリズミカルに、しかし強引に揺れている。

ブルマにはギシギシとした乾いた感覚しかなかった。
「それなら、あんたがやめれば・・・いいでしょ」
「気が高ぶっていると言っただろうが・・・」
べジータはそういいながら、今だに力を込めているブルマを見て一旦動きを止めた。
べジータにしても、ブルマが潤っていないと、あのすばらしい感覚は味わえない。

ブルマを抱いてみて初めてわかったことだが、自分の性欲を満たす行為と、女を味わうということは別物だ。
食欲に対してもそうだが、地球に来る前(正確にいうとC.Cに来る前だが)は食などというものは、腹がくちくなれば味などどうでもよかった。それが今は味わう、ということを学び、べジータ自身もその行為に満足している。
だが、しかし、戦いの前後は別だ。
べジータの云うように、戦いの前後は気が高ぶり、すべての欲は戦いに集約される。
それこそ、戦うためのエネルギーが補充できる食と、自分の体に油をなじませるための行為として、性欲がみたされれば内容などはどうでもいいことだった。

今、べジータは気が高ぶっていると云った。
ブルマを味わうよりも、まずは欲求を満たしたかった。

だが、ブルマは痛みのため、抗議をしている。
「チ・・・」
べジータは自分でも情けなくなったものだと思いつつも、ブルマの好むように行動することにした。

キャミソールの下から手を伸ばし、ブルマの形の良い胸に触れた。
そして、ゆっくりと手の中に収め、指を動かし始める。
べジータの手のひらが、ブルマの胸の突起した部分に擦られ、ブルマの身体は徐々に熱を帯びてきた。
反対側の手もブルマの腕から離し、ゆるやかに隆起する下腹部へと移動させた。
そして、いつのまにか燃えるように潤いはじめた、ブルマのその部分に指を埋めた。

ブルマは悲鳴のような声を上げた。
べジータはそれに答えるように、ブルマの中にうずまっていた自分自身を、出したり引いたりし始めた。
今度はなめらかに動き出す。
べジータは自分の体重を支えるために方膝立ちをした。両手はブルマを喜ばすために動いている。
(べジータ・・・)ブルマは吐息と短い悲鳴を何度もあげながら、迫り来る快感に恐怖を感じていた。

べジータはさらに腰を激しく打ちうけてくる。
「べジータ・・・べジータ・・・」
ブルマはうわ言のようにべジータの名前を呼び、爪が剥がれるほど強く地面を削った。
べジータは、ねっとりと絡みついてくるブルマの皮膚の感触に、何度も意識が飛ばされそうになったが、その度にブルマの背中や首に歯形をつけて気をそらした。
ブルマの膝が体重をささえられなくなってきた時、べジータはブルマの腰を両手で抱え、
これ以上ないくらいブルマの奥をえぐりだした。

「はぁ、ダメよ・・・べジータ、もう・・・やめて・・・」
「お願い、べジータ・・・」
「もう、イヤ・・・あぁっ、あぁっ!・・・」

ブルマはもう訳が判らなかった。
ただ深い闇に落ちていく感覚に、なにかにしがみつきたかったが、目の前には青い芝があるのみでそれも叶わない。
べジータもキリキリと締め上げられていく感覚に全てをまかせた。
そして、一瞬、額にきつく眉を寄せると、ブルマの中にその熱い印を注ぎ込み、ブルマに体重をかけた。

ふたりの荒い息遣いだけがその場にあった。
重なり合った熱い身体は、徐々に熱を取り戻してきている。

べジータはブルマから身体を離すと、ごろりと横になった。もちろん素っ裸だがべジータは気にしない。
さすがにブルマは乱れた衣類や髪を直すと、べジータの横に座った。

「ひどいことするじゃないの」
ブルマはチラとべジータを盗み見ると、恥じらうように云った。
あれほど乱れた後では、さすがにいつもの調子はでない。
「貴様が望んだことだろうが・・・」
べジータは腕を頭の後ろで組んで、気持ち良さそうに目を閉じている。
「痛かったわよ・・・少し」
ブルマは乱暴に自分を扱ったべジータを軽くなじった。
べジータは薄く目を開け、チロリとブルマに視線をやると、興味なさそうにまた目を閉じてしまった。


その頃、トランクスと悟天はフュージョンが解かれ気を失ったまま分離していた。
「あつつ・・・」
トランクスは首のあたりを押さえ起き上がった。悟天はまだ側に寝ている。
「起きろ悟天!」
トランクスは悟天の頭を一発殴った。
「うん・・・?あれ?トランクス君」
「オレ達負けたんだよ」
「そっか。しょうがないよね、おじさん強いもん」
「ちぇっ。他人事だと思って」
「ボクだって、ムシキングのカードがかかってたんだよ」
「そうか。じゃあ、カードは悟天にやるよ」
「ホント?トランクス君!」
「ああ。だけど悟天、オレがもっと強くなるためにお前も修行に協力しろよ」
「うん、いいよ」
トランクスは悟天に軽い笑顔を送ると、キッとした表情になり遠くを睨んだ。
「パパの気だ・・・」
「こい!悟天!」
トランクスは、べジータの気のある方向に向かって飛び出した。


スタン。

トランクスはべジータの横に着地した。
べジータは上着を着ている途中だったが、トランクスを見ると薄く口元を歪めた。

「おそかったじゃないか、トランクス」
「・・・」

「悔しいか」
「はい」
「だったらもっと修行をして強くなるんだな」
「・・・」

「ブルマを、ママを、オレに取られたくないんだったらな」
「く・・・」
悔しいが父親のべジータは全てお見通しだ。


「明日からは毎朝5時に重力室に来い。オレが稽古をつけてやる」
「おとうさんが?」
「オレを超えたいのなら、オレの技を盗め」

べジータは立ち上がると「オレがブルマを連れて帰ればいいんだろ?」と云い、ブルマの腰をぐっとつかみ担ぎあげた。
「あっ。ちょっとべジータ!悟天くんもトランクスと一緒に帰ってきなさい。ママがケーキを焼いてるわ」
「ホント、ブルマさん!」
「おかあさん!」
べジータはさっさと飛び立ってしまった。


「トランクス君、よかったね。おじさんに毎日修行してもらえるんだ」

「・・・ママから」
「え?」

「ママからパパの気を感じた」

「ふーん?」
「パパはさっきまでママと何かしてたんだ・・・」
「何言ってるの、トランクス君?難しくてよくわからないよ」
「くそっ!悟天、次は絶対にパパに勝つんだ!」
「そ、そうだね・・・頑張ろうね・・・」
悟天は、意味の判らないことを言ってムキになるトランクスをビックリして見た。


トランクスは父親似の鋭い目つきで、宙を睨みながら立っていた。

そんなトランクスをちょっとカッコいいと思い、
自分のお父さんといつも一緒にいられることを、悟天は少しだけ羨ましく思った。





あとがき
ベジブルの18禁だけのために、書いたSSです
久々にベジのエッチが書きたくなったので、この際、内容は後回し・・・
トラと悟天はダシにさせてもらいました(><)

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