ブルマはべジータの唇をやさしくついばむように、軽いキスを繰り返した。
しかしべジータの唇はグッと引き締められたままで、
闇のような黒い瞳は、まっすぐに宙を睨みつけている。
無意識にブルマの腰に腕をまわしていたが、まるでブルマのことが見えていないようだった。
「べジータ?」
ブルマはべジータの反応のなさに、思わず名前を呼んだ。
べジータはハッとしたように、ブルマに視線を戻す。
「なんだ・・・?」
「なんだじゃないわよ!!お腹の中に子供がいるならさあ、さっさと地球に帰るわよ!!」
ブルマは半分無視されたことに腹をたて、べジータを怒鳴りつけた。
「修行はまだ終わっていない」
「何言ってんのよ!!あたしはかよわいレディなんですからね!
こんなところで何かあったら大変だわ!!」
ブルマは腰に回された腕を振り解くと、べジータを残しひとり操縦室へ向かった。
べジータは迷っていた。
惑星べジータが消滅した以上、自分の血を残す意味がない。
ましてや、下等な地球人との混血だ。
(やはり、殺しておくか・・・?)
それなら何故、ブルマのお腹に、もうひとつの命が宿っていることを知りながら助け、
そして、わざわざコトを告げたのだろうか?
はじめから、殺すつもりなどなかったというのか。
(このオレがこんなくだらんことで、何を迷っている?!)
べジータは白いグローブをはめた拳を、腕がぶるぶると震えるほど硬く握り締めた。
そして深い息を吐き、目を閉じた。
「オレは、あの女を殺せない」
べジータの出した答えは、これからのべジータ自身を大きく左右する決断だった。
べジータは誰であろうとも、冷酷に、そして残酷に殺戮を繰り返してきた。
そのべジータに殺せないものが出来てしまったことは、
自分の弱みが出来てしまったことになる。
今までは、役に立つから殺さなかった女。
それが突然、殺すことのできない女に変わってしまった恐怖。
べジータはズカズカと操縦室へ入っていき、
コンピュータに向かって、地球までのコースをインプットしているブルマの腕を引き寄せた。
「オレを捕えたつもりだろうが、いい気になるな」
べジータはブルマの腰を抱き、その胸に顔をうずめた。
「なによ・・・突然・・・」
ブルマは理解出来ないといったふうにべジータを見ていたが、
次第にその表情は艶っぽく変化し、小さく喘ぎ声をあげた。
べジータの指がブルマの胸を服の上から掴み、やわらかく弧を描くように触れている。
「あぁ・・・」
ブルマはべジータの首に腕を絡め、顎を上げて弓なりに仰け反った。
蒼い髪が、はらりと流れる。
べジータはブルマの片足を自分の腰の位置で抱え込み、
柔らかく胸に触れていた手を背中にまわし、ブルマの身体を支えた。
べジータの前に突き出された胸の先端を、べジータは軽く噛んだ。
ブルマの身体がびくりと動く。
「べジータ、キスして・・・」
ブルマの頬はほのかに染まり、
蒼い大きな瞳は、地球の海を思わせるような、穏やかさをたたえていた。
べジータはその瞳にしばらく見とれたが、ゆっくりと目を閉じ、
ブルマの柔らかい唇を自分の唇で挟み込んだ。
ブルマはべジータに答えるように、べジータの唇を軽く吸った。
そして、引き合うようにお互いの舌を絡ませた。
身体の中を突き抜けるような衝動は、ブルマとべジータの理性を吹き飛ばした。
べジータは唇を合わせたまま、ブルマを床に横たえ、もどかしそうに服を剥ぎ取っていく。
ブルマもそれに協力するように、べジータの上着を脱がす。
生まれたままの姿になった2人は、腕を絡ませ抱き合い、何度もキスを繰り返した。
べジータの苦しそうな息遣いがブルマの耳元に届く。
耳を噛み、細い首筋から、なだらかな隆起に沿って舌を這わせ、
ピンク色に染まった先端にたどりつくと、それを口に含ませ、舌をチロチロと動かした。
「はぁ・・・」
ブルマは身をよじり、火照った肌をべジータに密着させた。
べジータの指がブルマの太ももの間を這い、その奥に触れた。
ブルマはべジータの指が自由に動くように、両肢をわずかに広げ、
そして、ねだるようにべジータ自身を指で触れた。
「きて・・・」
ブルマは自らべジータを誘い入れた。
「あぁ・・・」
べジータがゆっくり侵入してくると同時に、今までにはない感情がブルマの中に満ちていく。
(あたしは今、べジータとつながっているんだわ。こんなに深く・・・)
あたたかく満ち足りた気分に、ブルマは深い喜びを感じ、
そしてべジータを泣きたくなるほど愛しいと思った。
(あたしの中に、べジータのもうひとつの命がいる・・・べジータがいるの)
ブルマは身体をぴったりとべジータに沿わせ、両肢をべジータの腰に絡ませた。
「あんたとひとつになりたい・・・べジータ」
ブルマの瞳からは、涙があふれていた。
「もう、どうしていいか・・・・わからないくらい・・・あんたを愛しいと思うの」
べジータの腰の動きが、やわらかくブルマを刺激し続けている。
「ねぇ・・・あっ、あ・・・ん」
まるでゆりかごのような心地よい振動は、ブルマを別世界へ運んでいく。
もしこのとき、ブルマがべジータの顔を見ることができたなら、きっと信じられなかったに違いない。
べジータは誰にも見せたことのない、切なさと、愛おしさの交じった瞳で
ブルマを見つめていたのだから。
「べジータも、気持ちよくなって・・・あたしと一緒に」
「・・・」
べジータはブルマの腰を片手で抱き、突き出すように浮かせ、ブルマの最も敏感な場所を荒々しく責めた。
鈍く重い快感がズンズンと身体の奥を刺激し、ブルマは泣きながら悶え、べジータにしがみついた。
「はぁっ・・・あぁ・・・べジータ」
「あ、あっ、あっ、あぁーーー」
ブルマの奥が、波のようにうねり、べジータを締め上げた。
「くっ」
べジータもその波に誘われるようにのぼりつめ、そしてブルマに身体を重ねた。
ブルマはべジータの厚い胸板に頭をのせ、まどろんでいた。
冷たい操縦室の床が、火照った身体に気持ちいい。
「べジータ・・・」
ブルマはべジータの名前を呼んだが返事はない。
べジータは目を閉じていたが、寝ているわけではなさそうだった。
もう一度名前を呼んだ。
べジータはぱちりと目を開き、めんどくさそうにブルマの方へ顔を向けた。
「地球に帰りましょ・・・そのかわり、あんたの修行に役立ちそうな、とっておきのものを開発するわ」
「・・・いい心がけだ」
べジータはブルマの蒼い髪を指ですくい、首の付け根を軽く吸った。
「あっ!ちょっと!痕がついたらどうすんのよ」
べジータは熱のひいた身体に、再び火がともったようにブルマの身体に唇を這わせ始めた。
「あ、あんた、あたしを殺す気?」
「・・・・・・でも、いいわ」
ブルマはべジータの首に腕を絡ませ、頬をほころばせた。
宇宙船はブルマとべジータと、そして、これから誕生するであろう小さな命を乗せ、
蒼い地球へと飛び立った。
終
あとがき
ひとつの作品で3回もエッチさせました・・・(笑)
とほほ。
そろそろ、ベジトラバトルにいきたいです(><)
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