見つけたぞ・・・

やっと見つけた



オレは蒼い髪を持った女にじりじりと近づいていき、今にも折れそうな手首を掴むとその場に組み敷いた。
驚きに見開かれた女の瞳はオレの姿を映し出していたが、やがてその瞳は硬く閉じられる。
そのかわりに女の口が小さく開き、オレの名前を呼ぶ。
「・・・タ、べジータ」
オレはその唇を乱暴にふさぎ、女が身につけている奇妙な服を引き裂くと、
むき出しになった白い両脚を大きく広げ、
ビクビクと波打つオレ自身を女の中に押し込んだ。

女の顔に苦痛の表情が浮かんだ。
オレは激しく息を吐きながら、何度も腰を打ちつけていく。

やがて痺れるような快感が身体の中を走りぬけ、
オレはその女の中に全ての気力をぶちまけた。

女は薄く目を開け、オレの名前を呼びながら背中に手をまわした。
オレも女の名前を口にしようとしたが、
その女の名前をオレは知らなかった・・・


漆黒の鎖


「べジータ、オレ達は少しばかり遊んでくるが、お前も来るか?」
黒髪を膝のあたりまで伸ばした男は、オレに焦点のあわない視線を向けると
まるで義務だといわんばかりの口調でオレを誘った。

オレ達サイヤ人にとって遊びとは、たいがいは血の騒ぐような殺戮のことだ。
それじゃなければ・・・女に足を開かせることか・・・

この場合は後者だろう。
「ラディッツ・・・遊びたければ勝手に遊べ。ただし、女の後始末は忘れるなよ」
「わかってるぜ、べジータ。どうだ?ナッパも行くか?」
ラディッツはオレの横に座っているナッパに声をかけた。
「行くにきまってるだろう。こんな偏狭の星で他に何をやるってんだ」
ナッパは舌なめずりをしながら、ラディッツの後について出て行った。


「チッ」
オレは意味もなく舌打ちをし、2人が消えた方向に視線をやった。

「全く・・・何の楽しみもない星だぜ」

この星は宇宙の偏狭にあるが、なかなかの科学力を持った星だ。
そのために施設や建物を破壊せずに、フリーザに引き渡さなければならなかった。
そうなるとオレ達サイヤ人の最大の楽しみである、破壊や殺戮が思い切り楽しめないことになる。
ナッパやラディッツが異性人の女を相手に、鬱憤を晴らしに行くのは当然ともいえることだろう。
オレも以前ならそうしていた。
が、どうしたことか最近見る奇妙な夢のせいで、オレはその遊びに興味を持てなくなってしまっていたのだ。

本当に奇妙な夢だった。


オレは見たこともない女を探して闇の中をさまよい、
その女を見つけると、思いきり犯してやるのだ。
いや、オレ達が女を犯す方法とは少し違うか。
オレはその女の唇を吸い、柔らかそうな肌に指をくい込ませ、
女と向き合う形で侵入していく。
行為の間中、オレの背中か首に腕を回し、自らもオレの動きにあわせて腰を振る。

悪くはない。
女は燃えさかる蒼い炎を瞳に宿しているのが印象的で
オレはその容姿をもっと見ようと、女の身体の隅々までを漁ってやるが
いつもそこで目が覚める。

オレは長いこと宇宙のいろいろな星を見てきたが、あの女と似た容姿を持つ者には出会ったことがない。
しかし、女はオレの名前を知っていて、しきりにオレの名前を繰り返し呼ぶ。
一体なんだというのだ。



ラディッツの野郎がスッキリした表情で戻ってきた。
プロテクターには赤い血が飛び散っている。
「この星の女はつまらねぇな。もっと恐怖で歪んだ顔が見られると思ったんだがなぁ。
だけどよ、身体は悪くないぜ。オレは6人とヤッた後で殺してやった」
オレは無性に腹が立ち、ラディッツの自慢話を無視した。

「フン。その血をふけ、ラディッツ。
・・・ナッパはまだか?
何時間待たせやがる。そろそろフリーザ様がおいでになるぞ」
オレはフリーザ様という部分を皮肉っぽく力を入れた。
スカウターを通して、俺たちの会話が本部に届いているはずだ。
オレ達はいつもフリーザに監視されていた。
もっと正確に言えば、物心つくまえからオレはフリーザの強さという鎖につながれていた。

だが・・・
フリーザの言いなりになっているのも、もうやめだ。
オレが奴を倒しその地位につく。宇宙でナンバーワンの座にな。

「ラディッツ。
蒼い髪と瞳を持った人種を見たことがあるか?」
「青?それがどうかしたのか?」
「さっさと答えろ」
ラディッツは思い出すように遠くに視線をやった。
「人種は知らないがオレの弟がガキの頃、地球という星に送られたんだけどよ
その地球という星は珍しい青い色をしていたぞ」
「ほう。では、女はどうだ?」
「さあなぁ。この星に負けずに偏狭の星らしいからな。
なんだったらオレが様子を見に行ってやろうか?
ついでに弟のカカロットが生きていたら、オレ達の仲間にしてやろう」
ラディッツに弟がいた事をオレは知らなかった。

惑星べジータが消滅してしまったせいで、サイヤ人はオレ達3人しかいない。
弱虫ラディッツの弟ではたいした期待もできないだろうが、
フリーザと戦う時のことを考えれば、いないよりはマシかもしれない。
オレはラディッツに地球へ行くように命じた。
オレは自分のスカウターを外し、ラディッツにもスカウターを外させた。
「貴様の弟が使えそうな奴ならオレ達の仲間にする。
フリーザの野郎をぶっ殺すには、一人でも多い方がいいだろう」
「べジータ、お前の口から仲間なんて言葉が出るとは思わなかったぜ」
「フン。余計なことを言っている暇があったら、さっさと行け。
フリーザの野郎がここに来る前にな」
「奴が来たらなんていうんだよ。べジータ?」
「オレは幸いなことにフリーザのお気に入りらしい。
・・・くっくっくっ。
まさかオレが裏切るとは思ってはいないだろうからな、どうにでもなるさ」

オレはあのフリーザをぶっ殺すことを考えると、自然に頬が緩んだ。
気に入らない野郎だった。
しかしあの強大な力を前にオレはどうすることもできず、
奴の前で頭を垂れ、いいなりになってきた。

だが・・・
もういい頃合だろう。
休みなく前線に出て命を削り戦い抜いてきたオレは、
あの頃とは比べ物にならないほどの力をつけた。
これもフリーザを倒すためだけにだ。
黙ったままのオレを見て、ラディッツはブツブツ言いながら宇宙ポッドへ向かった。





ラディッツから連絡が入ったのは半年ほどたった時だった。
地球という星に着き、弟のカカロットに逢ったこと。
そいつはサイヤ人の記憶を失い、地球人として生きていたこと。
そして、そいつの側にいた蒼い髪の女のこと。
頭の悪いラディッツが、オレが気まぐれのように言った女のことを覚えていたのは以外だったが・・・
あれからもオレは日を開けずに女の夢を見ていた。
だんだんと鮮明になっていく奇妙な夢。
わずらわしいと思いながら、オレは相変わらず夢の中でその女の身体を楽しんでいた。




ラディッツがカカロットとナメック星人に殺されたのは、オレに連絡が入ったその日のうちだった。
「べジータ。ラディッツが殺された。敵討にいくか?」
「フン。弱虫ラディッツなんかどうでもいい。
だが地球という星、興味があるな」
「カカロットの息子のことか?」
ナッパはオレの夢の事を知らなかったし、カカロットの息子に興味があることも確かだ。
オレは適当に答えた。
「そうか、サイヤ人と地球人の混血を増やせば、惑星べジータの復活も夢じゃねぇしな」
「ナッパよ。少しは頭を使え。
そんな奴らが増えてみろ。オレ達純粋なサイヤ人がのっとられるぞ」
「そりゃそうだ」
ナッパはラディッツよりはマシだが頭が悪い。
オレは軽く舌打ちをし、宇宙ポッドに乗り込んだ。




地球についてからのオレは散々だった。
たかだか下級戦士を相手に撤退を余儀なくされ、オレのプライドはズタズタになった。
たとえ数人がかりだったとしても、オレの今まで築いてきたものを打ち砕くには十分すぎるほどだ。
だが、かわりにオレはドラゴンボールの存在を知った。
「これがあればフリーザの野郎を倒すことができる」
オレはナメック星に飛び立ったフリーザの後を追った。
そして、そこで女と出合った。



岩場の影に隠れるようにしていた女。
「べジータ!!!!!」
女がオレの名前を呼んだ。
やや甲高いが聞き覚えのある声だ。
オレは低く喉の奥で笑った。
間違いない、この女だ。
蒼い髪を揺らし、憎悪と恐怖の入り混じった目をオレに向ける。

「見つけたぞ・・・」

オレが渇望していた女だ。
「こ、こないでよ・・・」
女は後ずさりながら、それでも気丈に振舞おうとする。
はっきり言って、今の状況でこの女をどうにかしている時間などはない。
まだドラゴンボールが集まっていないのだ。

だが・・・

オレの押さえつけられていたものが一気に噴出し、気付いたら獣のように女の上に覆いかぶさっていた。
「やだ!べジータ!やめてよ!」
女はオレの下から這いずるように逃げる。
オレはわざと力を抜き、女が逃げようとする様子を楽しんでいた。
そして、少しづつ衣服を剥ぎとっていった。
「孫君が来たら、あんたなんかやっつけてもらうんだから!!!」
女は首をひねりオレを見上げた。
「ほう、それは楽しみだ。だが・・・その前に貴様はオレに殺されているかもしれんがな。
いや、殺すのには惜しいか。オレの女になれば生かしておいてやってもいい」
「あんたの女?ふざけないでよ!!あたしの恋人はあんたに殺されたのよ!!」
オレは逃げる女の下半身をむき出しにし、腰を高く上げさせた。
そしていきり立ったオレ自身を掴み、女の中に突き刺した。
女が悲鳴をあげる。
オレは構わずに女の腰をつかみ、波打つように何度も奥へと突き進み、
女の中へ熱いものをぶちまけた。

しばらくオレは荒い息をしていたが、ゴクリと喉を鳴らすと体を離した。
女はすばやくオレの下から逃げ出すと、大きな目でオレを見た。
「サイヤ人がこんなことするなんて思わなかったわ!!!」
「フン。・・・それより貴様、名前を教えろ」
「あんたになんか関係ないでしょ!!」
「残念だが、おおありだ。
オレは貴様のせいで、ここ最近女としていなかったからな」

オレは女の腕を引き寄せると、唇を吸った。


「・・・っ」
唇に痛みが走り、赤い血が流れた。
女がオレの唇をかみやがった。
女の唇もオレの血で赤く染まっていた。
「・・・ブルマよ。あたしはブルマ。
宇宙人のあんたも、あたしと同じ血の味がするのね」
女はブルマと名乗り、オレの唇を細い指で撫で、
オレに犯されたことなど忘れたように親しげに振舞いはじめた。
おかしな女だ。

「貴様はオレから逃げようとするな。逃げなければ殺さない」
オレはこのブルマという女を手放したくはなかった。
まったく愚かとしか言いようがないが、この女に出逢う前からオレ自身が捕えられていたのだ。


ブルマがオレの手を掴み、自分の胸へ触れさせた。

「逃げられたくないんだったら、レディはもっと優しく扱うものよ」
ブルマの蒼い瞳に宿る狂気が、オレを魅了する。
オレはそのまま胸をすくうように揉んだ。
女のその部分が柔らかいことをオレは初めて知った。

そしてオレはブルマの中で3回ほどイッた。



まだまだ手放したくはなかったが、大きな気を近くに感じるとオレはプロテクターを身に着けた。
「オレがドラゴンボールで不老不死を手にしたら、貴様をオレの女としてつれていくことにする。
それまでここで待っていろ」
「ふーん。ドラゴンボールでねぇ・・・」
オレは立ち上がり、その場を去った。

後になってわかったことだが、ブルマはあの時ドラゴンボールを隠し持っていやがった。





ブルマはフリーザよりも、どんな奴よりも性質が悪い女だった。


オレが地球で暮らすようになると、頭の中は常にブルマのことがへばりつき、
ますますブルマから離れられなくなった。
初めは身体だけが目的だったが、
そのうち地球人の大好きな情というものがオレの中に湧いてきた。


そしてブルマを守るために、命すら差し出すようになるとは思いもしなかった。

戦いが全ての誇り高きサイヤ人の王子が、全く笑える話だ。



ラディッツやナッパが生きていたら、なんといっただろう。
フリーザから逃れたと思ったら、今度は地球の女に囚われる。



結局オレは鎖に縛られたままなのだ。





(2005.9.18)



あとがき
長い間お待たせして、すみませんでしたーー。
同じ女で燃料切れしてから、少しだけチャージが出来ました。
10日以上もSSを書いていなかったので、感覚を忘れてしまいました。
今までのタッチ(?)とは違った感じで書いてみたせいか執筆スピードが遅かったです。

関係ないけど、べジータから携帯メール貰った夢を見た。
なんじゃそりゃ??
早くSSを書けってことだったのかしら(笑)

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