同じ女を求めること

第五話 対極


ブルマとトランクスの乗ったジェットフライヤーがモーターショー会場に着くと、
ブルマが来るのを待っていたカプセルコーポレーションの社員達が、いっせいに挨拶をする。
ブルマはそれに明るく答え、数人のスーツ姿の男達を従えて歩きだした。

テレビ局の取材陣もブルマを取り囲むようにして集まってくる。

トランクスはブルマのすぐ後に付いて歩きながら、想像もしなかった事態に驚きを隠せなかった。

ようやく応接室に通されると、トランクスはほっと息をついた。
「びっくりした?トランクス」
ブルマは楽しそうにトランクスを見ると、銀色の小さなピンバッジを渡した。

「なんですか、これ?」
トランクスはそのバッジを自分の目の前に掲げる。
「ウチの社章よ。今日はそれを付けていなさい。
今日は社員として、あたしについて来てもらうからね」

「・・・わかりました!」
トランクスは嬉しそうに、そのバッジをジャケットの襟につけた。

「それにしても・・・
正直カプセルコーポレーションが、あそこまで注目されているとは知りませんでした」

トランクスは、自分の世界のカプセルコーポレーションが、研究の方にウエイトを置いていることや、
世界中にある反重力自動車工場の生産ラインが、人造人間に破壊され機能していなかったことを
ブルマに話して聞かせた。

「そうなの・・・ところでさ、あっちのあたしはどうしてるの?」
「母さんは毎日大忙しですよ。それこそ休む間もないくらいに働いています」
「そう。じゃ、あたしももっと頑張らないとね!
・・・カプセルコーポレーションはあたしの分身だからさ」

ブルマはブリーフ博士の後を継ぐからには、世界一の企業にするという夢を熱く語りだした。
トランクスはブルマの熱弁にうなずくだけだったが、
普段のブルマからは想像もつかない気迫に胸を打たれるものがある。

「ブルマさん、あなたはすごい女性ですね」
守るべき存在だと思っていたブルマの意外な強さに、トランクスはますます魅かれていった。




モーターショーの後の軽い打ち上げパーティまでをこなし、
二人がC.Cに戻ったのは、既に夜中の1時をまわった頃だった。

「ただいまー!って・・・もう皆寝てるわよねー」
「そのようですね・・・父さんもいつも早く寝るんですか?」
「べジータ?うーん、どうかしら?」
ブルマは曖昧な返答をする。

べジータは12時にはベッドで横になっているが、それは仮眠のようなものだからだ。
今からでもブルマが部屋に戻れば、べジータはブルマを抱く。

しかしトランクスに、そんな説明は出来ない。
深く聞かれる前に、ブルマは話をそらすことにした。
「ねぇ、トランクス。お腹減らない?
パーティーなんていってもさ、アルコールを飲むくらいしか出来ないんだもの!」
「そうですね・・・そう言えば、オレも食べる余裕がありませんでした」
トランクスは急に空腹に気づいたように、お腹を押さえた。

「じゃ、軽く食べましょうって言っても・・・あんたもきっとべジータみたいに沢山食べるのよね?」
「え?ええ・・・すいません・・・」
トランクスは恥ずかしそうに答える。
ブルマはそんなトランクスを可愛いと思い、頬を緩めた。

お手伝いロボットが食事を運んでくると、夜中のリビングにいい匂いが漂う。
ブルマは軽くサラダだけを食べ、トランクスはいつもの夕食と変わらないくらいの量を平らげる。
先に食べ終わったブルマは、トランクスの食事の様子をじっと見ていた。

(べジータとはちょっと食べ方が違うみたい)
べジータはかき込むようにガツガツと食べるが、トランクスは少しばかり行儀がいいようだ。
起用にフォークとナイフを使いこなし、パクパクと口へ運んでいる。
(未来の悟飯くんの影響かしらね・・・)

ブルマはそんなことを考え、頬杖をつきながらトランクスをぼんやりと見ている。
トランクスは視線を感じ、フォークを運ぶ手を止め振り向いた。
「あの・・・なんでしょうか・・・?」
「あ、ごめん、ごめん。何でもないの」
「そうですか」
トランクスは何事もなかったように、食事を続ける。
べジータは食事を中断させられると不機嫌になるが、トランクスも似たようなものなのかもしれない。
ブルマは邪魔をしないように、本を取り出し読み始めた。







「ブルマさん・・・ブルマさん・・・」
遠くのほうで自分を呼ぶ声が聞こえる。
(うーん、あたし疲れてるのよー、もう少し眠らせてぇ)
ブルマは頭の中で返事をするが、疲れ果てているせいか金縛りにあったように
体はぴくりとも動かない。

ブルマはトランクスの食事を待つ間に、テーブルに突っ伏して寝てしまっていたようだ。
トランクスが声をかけても、唸るばかりで起きる気配はない。

(毎日あの状態では、いくらブルマさんでも大変ですよね)
トランクスはブルマの肩に自分のジャケットをかけ、椅子に座りなおした。



物音のないリビングに、ブルマの規則正しい寝息が聞こえる。
トランクスはブルマの寝顔を見ながら、今日のことを思い返していた。


今まで自分は、強くなることや、戦いのことが精一杯で、
ブルマの生活というものをあまり考えなかったような気がする。

(オレが今日あなたの仕事についていったのは、ただ、あなたと一緒にいたかったからです。
でも・・・あなたがカプセルコーポレーションを自分の分身だと言うのなら、
オレは本気で・・・あなたが思うのと同様に、カプセルコーポレーションを支えたい)


トランクスはブルマからもらった、銀色の小さな社章をぐっと握り締めた。




「おい、トランクス」
不意にべジータの声がした。

「父さん!」
トランクスは顔をこわばらせ、ガタンと大きな音を立て椅子から立ち上がった。
その拍子にブルマが飛び起きる。
「な、なに今の?地震?!」
寝ぼけた顔をしたブルマが、2人の険悪な空気を読むまでには、しばらく時間がかかった。

「チッ。寝ぼけやがって・・・」
べジータはトランクスを無視し、ブルマを肩に担ぎ上げると、リビングの出入り口に向かった。
しかし、トランクスがおとなしくしているはずがない。
さっとべジータの前に立ち、両手を広げ道をふさいだ。

「邪魔だ、どけ」
「いやです」
その瞬間べジータの手のひらが光ったかと思うと、トランクスの左胸をめがけて放たれた。

至近距離からのべジータの攻撃に、トランクスはよける間もなかった。
激しい衝撃がトランクスを襲い、呼吸ができなくなった。

べジータに担がれているブルマの視界からは、その様子を見ることができない。
「トランクスに何したの?べジータ!!」
べジータはそれには答えずに、暴れるブルマの両脚を右手で抑え、部屋から連れ出した。
膝をついて呻くトランクスがブルマの視界に入ったときは、既にべジータは通路をスタスタと歩いている。
「降ろして!べジータ!ひどいじゃないの!!トランクスを殺す気っ?!」
ブルマはわめき、べジータの背中を叩くが、べジータは全く動じない。



べジータの部屋に連れ込まれると、ブルマはベッドの上にドサリと投げ出された。

「今朝の続きだ」

そういうとべジータはブルマの服を引き裂き、自分も服を脱ぎ捨てると、
両手腕をブルマの頭上で押さえこむ。

「あいつのことは心配するな。
至近距離で撃ったから、少々体にショックを受けているだけだ。
オレ達サイヤ人はやわに出来てはいなんでな、あれくらいでは傷もつかんだろう」

べジータはブルマの両肢を大きく広げ、膝の間に自分の体を割り込ませると、
まだ受け入れる態勢が整っていないブルマの身体の中に、自分自身をねじ込んだ。
その苦痛にブルマは顔をゆがめ、腰を引く。

「やだ!痛い!」
「じきに良くなる」
べジータはゆっくりと腰を動かし始め、白い二つのふくらみの尖った先端をぺろりと舐める。
そしてその部分を口に含み、軽く歯を立てた。
「・・・っ」


徐々にブルマの乾いた部分が潤い始め、先ほどの痛みは快感となって突き抜けていく。
「手を離して・・・べジータ・・・」
ブルマは心地よい一定のリズムに揺られながら、べジータを見上げた。

「貴様がもうトランクスに構わないというなら、放してやろう」
「無理よ・・・」
ブルマはキッとべジータを睨む。

「そうか、では仕方ないな」
べジータは自分の腰クイッと跳ね上げ、揺られるような心地よさを、鋭い衝撃に変えた。

「ああっ!!!!」
ブルマは硬く目を閉じる。

べジータが突きあげるたびに襲ってくる痺れは、ブルマの呼吸を困難にさせ、
やがては全身の皮膚は感覚を失わせた。

「ベジっ・・!!」
べジータにしがみつきたかったが、しっかりと押さえつけ腕を放そうとはしない。
「あっ・・・いやっ!!」
ブルマは首を左右にふり、べジータに許しを請うように甘い声をあげる。
「放して・・・お願い・・・・あっ・・・ん」
「では、トランクスに構うな・・・」

べジータの瞳には、いつもの余裕が感じられない。
思いつめたようにブルマを見下ろし、容赦なく腰を打ちうけていく。

「あぁーーっ!
いや、いや、もうやめて
・・・お願い・・・」
ブルマはたまらずに乱れたシーツを噛んだ。

「んんっ・・・」
ブルマの白い歯がギリッとシーツを噛む様は、凄艶ともいえる。

(くそ、この表情だ・・・オレはコレから離れることができない)

べジータの身体は耐え難いほどに高まっていくが、それを押さえ込むように奥歯をかみ締めた。
しかし、ブルマの奥が痙攣しべジータ自身を激しく押さえつけると、
べジータはブルマの中に熱いものを注いだ。





荒い息遣いがしばらく続く。
しかし、べジータはブルマの中からソレを抜くことはせずに回復を待った。

「ねぇ・・・もう放して。腕が痛いの」
ブルマはべジータに哀願する。
「チッ」
べジータの手がブルマの両腕から離れると、ブルマはすぐにべジータの背中に腕を巻きつけた。
「乱暴なんだから」
ブルマはべジータにキスをねだった。
べジータは深く息を吐くと、ブルマの唇を何度も吸い、そして再び腰を揺らし始める。
「貴様が望んでいることだろうが」
べジータは冷たく言い放つが、ブルマには既に聞こえていない。





(ブルマさん・・・)
トランクスは痛む胸を押さえ立ち上がったが、
べジータの後を追って部屋に行く気にはなれなかった。


今頃は一番見たくないシーンが繰り広げられているに違いない。
そう考えると、べジータに撃たれたときよりも激しく左胸が痛むようだった。


トランクスの右手が心臓を握ると、
その拍子に、今まで握られていた銀色のバッジが、
音を立てて床に落ちた。


続く


あとがき
ベジ、ひどい男にしてしまって、ごめんね・・・

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