惑星ベジータ 2

あたしは油まみれになりながら、神様が乗ってきた宇宙船を修理していた。
ナメック星で宇宙船がフリーザの一味に壊された後、べジータから身を隠すためカプセルにもどしていたのが幸いした。
ナメック星の爆発とともにあたし達が神龍によって地球に戻された後も、カプセルはポケットに入ったままだったのだ。

「ほーんとあたしって運がいいんだわ。この宇宙船をちょっと改良すればどっこでも行けちゃうんだから!」
あたしはまだ惑星べジータを見るという野望?!を捨てていなかった。
神龍はナメック星人の手によってどんどんパワーアップしているんだもの。
30年前に消滅した惑星べジータを復活させることができるかもしれないじゃない。
ダメでもともと。
何かをやる前にあきらめちゃうのはあたしらしくないしね。

そして久々のドラゴンボール探しにあたしはドキドキしていた。
「うふふ♪」
じゃーん!べジータには内緒だけどミクロバンドだってつくっちゃったもんね。

あたしは遊びにいこうとするトランクスを引きとめた。
「なあに?おかあさん。ボクこれから悟天のところに遊びに行くんだけど。」
「ねぇ、トランクス。母さんと一緒にドラゴンボールを探しに行かない?」
「ホント?!いいよっ!いつ?」
「い・ま・か・ら・よ!」
「ず、随分急だね・・・。でもいいよ!悟天も誘ってみる。」
「え?何日も家を空けたらチチさんに怒られちゃうんじゃない?」
「大丈夫だと思うよ。たぶん。ボクん家に泊まるって言っておけばいいんじゃないのかな。」
「そっか、そうね。じゃ、早速行きましょうか。」
あたしはミクロバンドのスイッチを押した。
「お、かあさん?!」
どんどん小さくなるあたしを見たトランクスの顔ったら、べジータがぎょっとしたときの顔にそっくりね。
「じゃ、トランクス。あんたのポケットに入れてちょうだい!落とさないでね。」
「はい・・・。」

あたしはトランクスの胸ポケットに入ると、ぴょこんと顔を出した。
孫くんとドラゴンベールを集めていた頃を思い出しちゃって、なつかしくて、ちょっと胸がくすぐったい。

「トランクスくん!」
「よう!悟天!」
「はぁーい、悟天くん!」
悟天くんは姿の見えないあたしの声にきょろきょろとあたりを見回している。
「ねぇ?今トランクスくんのお母さんの声がしなかった??」
「ここだよ、ここ。」トランクスは自分の胸ポケットを指差した。
「ぎょ!」あらあら、こっちは孫くんの驚いた顔そのままだわ。まぁ、孫くんと瓜二つだから当たり前なんだけど。
「なあ、悟天。一緒にドラゴンボールを探しにいこうぜ!」
「い、いいけど・・・。」

うーん、気持ちいい風ねー。
トランクスと悟天くんは平行して空を飛んでいる。
「ねぇ、おかあさん、ドラゴンボールを集めて何のお願いをするの?」
「うふふっ。惑星べジータよ。」
「・・・?」
「あんた達のお父さん、サイヤ人の住んでいた星ね、惑星べジータっていうの。べジータが小さい頃にフリーザに破壊されちゃったらしいけど。その星を神龍に復活させてってお願いするつもりよ。まあ、叶えられるか判らないんだけどね・・・。」
「ふぅーん。」
「ほら、ミスターポポから預かってる宇宙船を修理したから、復活した惑星べジータまで行ってみようかなーって。あんた達もお父さんが生まれた星、見てみたいでしょ?」
「うんっ。ボク行きたい。」
「ボクも!トランクスくんと一緒に行きたい!」

「ようし、一個目のドラゴンボールはカメハウスの方向にあるぞ!悟天!どっちが早くつくか勝負しようぜ!!」
「うんっ。ボク悟飯兄ちゃんにいっぱい修行してもらったから負けないよ!」
ちょ、ちょっとトランクス!飛ばしすぎよ!って・・・
ぎゃーーー!!あたしは物凄い風に巻かれて海へと落下していった。

「もう、最悪ー。」
あたしはプカプカと穏やかな海を漂っていた。
持っていったカプセルの中にはジェットフライヤーの変わりにエッチな本が入っていただけだった。
と、父さんたらまだこんなもの読んでるのね!
なんてのんきに考えていたけど、この状況ってかなりヤッバイわよね。
かろうじて、カラのカプセルを浮き輪がわりに使ってるけど、ずっとこのままってわけにもいかないし。
第一、ずっと海水に漬かってたら日焼けしちゃう!
それに・・・サメとかいたら・・・く、喰われちゃうわ!

あたしはこのピンチを切り抜けられそうな可能性を考えてみた。

あの子達は絶対気づいてないから助けに来てくれないわ。
どっかの島まで泳いで・・・行ける距離じゃあなさそうねー。
べジータは、あたしに気づいて・・・・・・・・・くれるわけないかぁ。

「ああー。あたしまだこんなにプリプリなのに、ここで死んじゃうのかしらー。」
その時、背後から腕をぐいっとつかまれてあたしは空中に浮いた。
そして耳元で聞き覚えのある低い声がした。
「誰がプリプリだって?」
もしかしてこれは・・・

「べ、べジータぁ!!!」
「バカが。手間取らせやがって。」
眉間にシワを寄せた仏頂面が今日は素敵な王子様に見えるわーー。
べジータがあたしを助けに来てくれたことが嬉しくて、べジータの小柄なわりにがっしりとした首に手を回すと、自慢の胸をぴったりとべジータの胸板に押し付けた。
「うふふ、素敵な王子様。助けてくれたお礼にあたしをスキにしてちょうだい。」
べジータが嫌がる顔を見たくていやらしーく耳元で囁いてやった。
「フン。その手には乗るか。貴様の裸なんぞとっくに見飽きてる。」

・・・だって。つまんないの。
べジータは口を尖らせてふくれっつらになったあたしをチラッと見ると、
「だが、せっかくだからスキにさせてもらおう。」と言って近くの島に降りたった。


あとがき
なかなか惑星ベジータまでたどり着けません。
続きます(><)

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