若社長の憂鬱 1

トランクスは多忙だった。

ブルマはC.CグループのCEOになり、トランクスはC.Cの3代目社長として就任することになった。
ブウ戦後、世界が平和になった影響から、C.Cはさらに事業の拡大をし、世界一のグループ会社へと成長した。
もちろん創業者はブリーフ博士だが、ここまでにしたのはブルマの手腕だった。

トランクスはブルマが用意した真新しいスーツを着ていた。
「うん。素敵よトランクス♪やっぱりあたしの子ねー」
「ど、どうも・・・」
ブルマのウキウキしてはしゃいだ様子に、トランクスは頬を赤く染めるとわずかに俯いた。
ブルマは年齢不詳という言葉がぴったりな女だった。
30代前半といってもいいほどの若さを保ち、ひそかにこの世の七不思議とも言われている。
確かに、近くで見てもピンと張った肌は透明感があり、清楚にすら見える。
「何?トランクス?」
「いえ、母さんが理想の上司NO.1に毎回選ばれるのは、良くわかるなぁって」
トランクスはドギマギして、ついトンチンカンなことを答えた。
「やーねぇ。それって褒めてるの?」
「もちろんですよ!」
ブルマはちょっと笑ってトランクスをチラリと見た。
そのしぐさはチャーミングだと言ってもいい。
「あのねトランクス。女性をほめる時は、綺麗ですね、とかキュートですねって褒めるものよ。あんたもこれからは人と接する機会が多くなるんだから、それくらいのリップサービスは覚えておきなさい」

ブルマはトランクスが理想とする女性だった。
理想というよりも、一人の女性として・・・つまり恋愛対象として見ている節もあるが・・・。
いつまでも美しい母親と四六時中一緒にいることは、若いトランクスにとって不幸なことだ。
おかげで、未だに恋人と呼べるような女性にめぐり合えない・・・というよりも、目に入ってこないと言ったほうが正しいのかもしれないが。
トランクスは、ブルマの美貌とべジータの男らしさを受け継ぎ、一般的な男性のランクでいうと最上級の部類に入る。
それに加え、地位も金もあるとくれば、世の女性がほっとくわけがない。
トランクスは悟天も入れて女性達と何度か遊びに行ったりもしていたが、何かがしっくりこないことを感じていた。


「悟飯さん。オレ、どうしたらいいんでしょう」
トランクスは社長に就任する前日、悟飯の研究室へ遊びに来ていた。
悟飯さんは学者となりC,Cに籍を置いている。
西の都が一応勤め先だ。一応というのは、机があるだけでめったに出社することはないからだ。
一年の半分は世界中を飛び回っているが、悟飯が研究室にいる時はトランクスも顔を出していた。
「うーん。母親に似た人を好きになる傾向はあるみたいだけど、ブルマさんに似た人なんていないだろうなぁ。ある意味強烈だからね、ブルマさんは」
悟飯はこの手の話は得意ではないらしく、的確な答えを出せないでいた。
「いいカウンセラーを紹介しようか?」
悟飯は胸ポケットから手帳を取り出した。
「い、いいです・・・そんなたいしたことじゃないですがら」
トランクスは手を左右に振り、後ずさりをした。
「じおじゃましました悟飯さん。たまには家に遊びに来てください」
「わかったよ。トランクスも社長業頑張ってよ」
「ありがとうございます。じゃ!」
トランクスはあわただしく研究室を出て行った。


あとがき
仕事で忙しいDBキャラはしょっぱい感じ


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